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1.単純ヘルペスウィルス
健常な皮膚の人の場合、風邪をひいた時に口唇のあたりに出るのが単純ヘルペスウィルス
ですが、数日間で治ります。しかしアトピー患者の場合、皮膚が弱いため感染すると赤く小
さな水ぶくれの集まった状態が急速に全身に広がります。
例えば朝には鼻の横に1、2個だったのが、夜には顔中に数十個と広がります。触らなくて
も少しピリピリ痛がゆいのが特徴です。38度前後の発熱も見られ、リンパ節も腫れます。
これらの症状を「カポジ水痘様発疹症」と呼びます。口の周りや顔面、首、胸などに米粒大
の小水疱が広がる症状が見られた時は、すぐに来院して下さい。ウィルスを殺す注射や内
服を出します。
一週間でおさまりますが、他人にうつる病気なので、その症状が出ている期間は、外に出
ないで下さい。発疹が顔、特に目の周りに出た時は、眼の合併症(角膜に傷がつく)の心配
がありますので、すぐに眼科を受診して下さい。
(第8号:1996.11.19)
2.白内障
アトピーに伴う白内障は、次のような症状で始まります。
(1)目がかすみ、近くの物が見えにくくなる。
(2)霧がかかったようにぼやける。
(3)明るい所に出ると、まぶしく感じる。
(4)物が二重、三重にダブって見える。
アトピーに伴う白内障とは、目の水晶体と言う部分が白く濁る病気で、次のようなことが原因と言われています。
(1)顔やまぶたのかゆみのため、叩いたり、こすったりするから。
(2)顔にステロイドを塗っていたり、急にステロイドを中止して、そのリバウンドによるもの。
(3)体の中の痰飲の濁りが、目の水晶体も濁してしまった結果。
予防法として、次のようなことが言えます。
(1)顔やまぶたのかゆみは、叩いたりせず冷やしましょう。
(2)リバウンドを防ぐため、急にステロイドを切るのはやめましょう。
(3)痰飲にも関係があるので、食べ過ぎに注意したり、ストレスをためないようにして、胃腸をいたわりましょう。
白内障の他にも、網膜はく離や網膜裂孔の疑いもありますので、症状を感じたら皮膚科の先生
に相談して、早目に眼科を受診することをお勧めします。
(第9号:1996.12.9)
3.とびひ(伝染性膿痂疹)
今まで、とびひは小さい子に見られるアトピー性皮膚炎の合併症でしたが、最近では思春
期以降の人にも見られるようになってきました。アトピー性皮膚炎の人の場合、かき傷があ
るので普通の人より感染しやすくなっています。体をかいた手で他を触ると、そこに菌が移
って新しいものをつくるのが特徴です。
ほとんどが黄色ブドウ状球菌感染で、この菌が皮膚に感染した時は、破れやすい水泡と赤
いびらん、滲出液の固まった黄色のかさぶたなどが混ざり合った病巣をつくります。
皮疹は衛星状に散在して見られ、かなり離れた部位にも皮疹が見られることから、とびひ
(飛び火)と一般的に言われています。皮疹は二〜三日から数日かけて、ゆっくり広がって
いきます。他のアトピー性皮膚炎の人に接触して、伝染することもあります。触らなければ
痛みや発熱はありません。ただ、37度台の微熱が出ることもあります。
このような症状が見られた時は来院して下さい。
(第11号:1997.2.3)
4.みずいぼ
水遊びの季節になると、子供たちの間で「みずいぼ」がはやりだします。みずいぼは光沢の
あるいぼで、直径は1〜3mmぐらい。ぽこっと盛り上がった中心部が少しへこみ、触ると弾
力があるのが特徴です。
ふつうのいぼは表面がガサガサして固いのに比べ、見た目に瑞々しいためみずいぼと呼ば
れています。このみずいぼの中には、白いクリーム状のものが入っていて、そこにたくさん
のみずいぼウィルスがいます。いぼが破れてそのウィルスが別の場所に飛び火したり、
他の子の体につくといぼがうつるのです。水疱瘡のいぼと違って、触っただけでは破れませ
ん。でも爪で引っかいたり、肌をこすり合わせるといぼが破れて中のウィルスが飛び出しま
す。
できやすい場所は、衣服がこすれるような腕とえりもと、胸、脇の下など。またみずいぼは、
湿疹がある場所にできやすいので、アトピーの子ほど多発しやすいのです。皮膚は外から
のばい菌やウィルスから体を守るバリアの役目をしていますが、湿疹やかぶれがあると、
そこが掻き崩されてバリアの役目を果たせなくなります。アトピーの子が感染に弱いのも
そのためです。
みずいぼができるのは、乳幼児から小学生ぐらいまで。一度、感染しても免疫ができるま
で半年から一年以上かかるので、その間にいぼが増えたり、何人もの子にうつってしまう
ことがあります。プールの水でみずいぼがうつりやすいと言われますが、それはいぼがある
子とプールに入って肌が接触してうつるので、肌の接触がなければ感染の心配はありま
せん。ただ、浮き輪やバスタオルが仲立ちして感染することはあります。
万一、いぼを見つけたら早目に来院して下さい。
うつらない! うつさない! みずいぼ対策
(1)皮膚はいつでも清潔に。汚い手でかかない。
(2)保湿クリームをつけ、肌荒れ、乾燥を防ぐ。
(3)みずいぼのある子と肌をくっつけない。
(4)みずいぼができたら、プールの水遊びは控える。
(5)バスタオルの貸し借りはしない。
(6)みずいぼが4〜5個に増えたら病院へ。
(第17号:1997.8.18)
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